小中学生
利用可能な支援
就学先の検討について
就学先の決定は、就学する予定の学校においてどのような学習内容が設定され、 どのような方法で教育を行うのかなど、保護者にとっての最大の関心事項の一つです。
このため、各市町村の教育委員会は就学先の検討にあたって、学校見学や体験入学の機会を活用した保護者への情報提供や面談等を経て、 教育上必要な支援内容等の判断・調整を行います。
保護者インタビュー
Q&A
- Q1. 特別支援教育とは?
- Q2. 特別支援学校とは?
- Q3. 特別支援学級とは?
- Q4. 特別支援学級と通常学級の違いって何?
- Q5. 特別支援学級以外に伊佐市内で受けられる支援は?
- Q6. 特別支援教育を受けるには?
- Q7. 中学校で特別支援学級に入っても高校に行ける?進路はどうなる?
- Q8. 特別支援学級を勧められたが、どうしても通常学級に入らせたい
- Q9. 特別支援学級に入ったら、ずっとそのまま?通常学級に移ることはできる?
- Q10. 特別支援学級に入るほどではないけれど、大人数の環境が苦手な場合は?
- Q11. 学校以外で受けられる支援には何がある?
- Q12. 不登校について
Q1.
特別支援教育とは?
障害のある児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち、
児童生徒一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、 生活や学習上の困難を改善又は克服するため、適切な指導及び必要な支援を行うものです。
Q2.
特別支援学校とは?
障害のある児童・生徒に対して、小学校、中学校又は高等学校に準ずる教育を施すとともに、 障害による学習上又は生活上の困難を克服し自立を図るために必要な知識技能を授けることを目的とする学校です。
【対象障害種】
- 視覚障害者
- 聴覚障害者
- 知的障害者
- 肢体不自由者
- 病弱者(身体虚弱者を含む)
入学のためには多くの場合、療育手帳や身体障害者手帳の取得が必要となります。
2023(令和4年度)現在、伊佐市内に特別支援学校は設置されていません。
鹿児島県内の特別支援学校の詳細については、 小中学生対象の支援 のページか、 鹿児島県作成の表(外部リンク) を参照してください。
Q3.
特別支援学級とは?
小学校、中学校等において障害による学習上又は生活上の困難を克服するためにニーズに合った支援を提供する目的で設置される小規模学級(最大8人)です。
必要な支援別にそれぞれ独立した学校が置かれる特別支援学校とは違い、 小学校や中学校の中で特定のニーズを持った児童生徒を集めたクラスとしてつくられます。
令和4年度現在、伊佐市内では知的障害、難聴、自閉症・情緒障害の支援学級が全16の公立小中学校のうち15校に設置されています。
Q4.
特別支援学級は通常学級とどう違うの?
困難を抱える児童生徒のニーズに合わせた環境づくりや学習支援を行うため、障害の種別、個人の特性に応じて多様で柔軟な対応をしています。
- 知的支援学級
- 学習進度はお子さんに合わせてゆっくりとなります。
- 自閉症・情緒支援学級
- お子さんに合わせた環境調整・支援が主で、知的には遅れがない範囲のお子さんが対象です。学習進度は学年相当が目標とされています。
※ 各障害や病気等については、基礎知識編もご参照ください。
Q5.
特別支援学級以外に地域の学校で受けられる支援はあるの?
障害のある子どもの学びの場については、「障害者の権利に関する条約」に基づく『インクルーシブ教育システム』の理念の実現に向け、 障害のある子どもと障害のない子どもが可能な限り共に教育を受けられるように条件整備を行うとともに、
障害のある子どもの自立と社会参加を見据え、一人一人の教育的ニーズに最も的確に応える指導を提供できるよう、 通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校といった、連続性のある多様な学びの場の整備を行っています。
- 教育支援員
- 特別支援学級に入級するまではないものの通常学級において支援を要する場合に配置され、授業をサポートします。
- 通級教室 (詳細)
- 「ことばの教室」「LD/ADHD教室 (レインボー教室)」があります。
※ 基礎知識編でLDやADHDをはじめとした 病気や障害などについて説明をしています。ぜひご覧ください。
Q6.
特別支援教育を受けるための手順を知りたい。
注: 上記「就学先の検討について」もご覧ください。
1. 特別支援教育を受けるかどうか、検討を始める
就学前のお子さんの場合は通っている保育園・認定こども園や保健師、療育施設からの案内があることが多いですが、 気になることがあれば、小学生、中学生など学年や年齢に関わらずいつでも相談しましょう。
伊佐市内の公立の小・中学校に在籍中のお子さんの場合は学校から案内があります。
2. 検査を受ける
県子ども総合療育センターや北薩病院等の小児科、または精神科(伊佐市の場合は大口病院等)で検査を受けることが必要となる場合があります。
2023年現在、初診で発達検査を受ける場合には、どの医療機関も数ヶ月前に予約が必要になることが多い状況です。
検査の結果等をふまえた上でこれ以降の手続きを行いますから、学校などから案内された場合には、 できるだけ早いうちに予約等をされるようおすすめします。
特に、後述の教育支援委員会までに検査の結果などを受け取っていることは重要ですから、特別支援学級を利用したいか否かに関わらず、 10月ごろまでには検査を受けられるよう、遅くとも夏までには予約されることを強くおすすめします。
3. 教育支援委員会
例年11月頃に開催される教育支援委員会で、新一年生や小・中学校に在籍している児童生徒について、適切な就学先や支援について話し合いがもたれます。
4. 通知・学校等との相談
どの程度の支援が必要かによって教育委員会が適切な就学先を通知しますが、その結果をもとに学校とよくご相談ください。
本人・保護者の意見を最大限に尊重しつつ、教育委員会、学校等と一緒に教育ニーズと必要な支援について合意形成を行うことを原則とした上で、 最終的には市町村教育委員会が児童生徒の就学先を決定することになります。
Q7.
中学校で特別支援学級に入っていたら高校に行けないのでは?どんな進路が考えられるの?
令和4年度の全国の中学校特別支援学級の卒業生のうち、約96.7%が進学1し、約0.7%が就職しています。(出典: 文部科学省, 令和4年度「学校基本調査」2)
同年度、鹿児島県では中学校の特別支援学級の卒業生のうち約97.8%が進学し、約0.3%が就職しています。(出典: 同上)
特別支援学級に入ることによって適切なサポートを受けて学習・生活の力を伸ばし、進学先で活躍する生徒も少なくありません。
進学先の例
小中学校で支援学級に通っていても、一般の公立・私立高校の普通科などに進学することができます。
過去に伊佐市内の公立中学校支援学級の卒業生が進学した鹿児島県立高校としては、
- 大口高校
- 伊佐農林高校
- 薩摩中央高校
- 霧島高校
などがあります。
また、他には以下のような進学先も考えられます。
- 私立高校
- 鹿児島城西高校3
- 普通科共生コース・ドリームコース
- 鹿児島城西高校3
- 特別支援学校の高等部
- 鹿児島高等特別支援学校、出水養護学校高等部など (詳細は鹿児島県作成の表(外部リンク)を参照)
- 通信制高校
- 公立では県立開陽高校があり、また私立高校でも市内から比較的に通いやすいところもあります。
通信制高校については、以下の説明資料もあります。
Q8.
特別支援学級が望ましいと言われたけど、どうしても通常学級で教育を受けさせたい!
お子さんの成長には、その子が
- どのような特徴・傾向を持っていて、
- 具体的にどのような支援を必要としているのか、
- 生活能力や学力を伸ばすためにどのような工夫が必要なのか、
などを学校やご家庭で把握して共有することが大切です。これを行うには特別支援学級のほうが望ましい場合が多くあります。
伊佐市の小学校は小規模な学校が多いだけでなく、 通常学級における教育支援員のサポートも手厚いので、 その子に必要な環境が用意できるのであれば通常学級からの入学も 可能な場合がありますが、その場合にはご家庭と学校の密な連携が 特に必要になります。
また、小学校や中学校に進学するときは環境の変化が大きく、子どもは不安定になりがちです。
加えて、特別支援学級から入学しても、スムーズに授業を受けられると判断されれば通常学級へ移ることもあります (Q9. “特別支援学級に入ったら、ずっとそのまま?” 参照)ので、
最初だけ特別支援学級を利用することで、落ち着いた環境で新しい学校に慣れることができ、 その後は順調に通常学級での学習ができるようになることもあります。
親の希望の前にお子さんのことや学校のことをよく見て考えましょう。
Q9.
特別支援学級に入ったら、ずっとそのまま?
特別支援学級から入学しても、または特別支援学級に移っても、通常学級で問題ないと判断された場合には通常学級へ移ることもありえます。
小中学校入学時などの環境の変化への対応が難しいお子さんは最初が肝心で手厚いサポートを要します。
学校に慣れて自分に合った過ごし方が身につき、交流学級などでスムーズに授業を受けられる場合には、 通常学級と特別支援学級の両方での過ごし方を観察して、通常学級への移行を勧めることもあります。
Q10.
発達障害というほどではないけれど、大人数や賑やかすぎる環境がきつい時は?
2023年現在、伊佐市のほとんどの小学校が非常に小規模であり、 通常学級でも一人ひとりに合わせた丁寧な対応をしていますが、 それでももっと少人数でゆったりとした環境なら落ち着いて取り組めるという場合には、
伊佐市の小規模特認校なども選択肢に入ります。
小規模特認校とは、対象となる以下の小学校について、 本来は校区外である地域に住んでいる児童でも、伊佐市内ならどこからでも入学・転校できるという制度です。
Q11.
学校以外で受けられる支援はあるの?
① 放課後等デイサービス (放課後・休日・長期休暇)
小学校以上に通っていて、障害や発達の特性があり支援を必要とするお子さんに対して、 学校の放課後・土日などの休日・夏休み等の長期休暇に、
学校や家庭とは違った環境で個々に応じた支援や体験を提供することによってさまざまな機会を提供し、 生活の訓練や社会交流などを通した一人ひとりの健全な育成を目的とする制度・場所です。
[注意] 利用には伊佐市こども課での手続きが必要です。
伊佐市内では以下の事業所が放課後等デイサービスを行っています。
- 音 (伊佐市菱刈前目2063)
- パレット (伊佐市大口里1873-6)
- ほほえみ (伊佐市大口里783-4)
- キッズステーション みらe (伊佐市大口宮人463-30)
各事業所などについての詳細は、小中学生対象の支援の紹介をご覧ください。
② その他の支援
整形外科 松元病院 「こどもリハビリ外来 ひまり」
言語聴覚士、作業療法士、理学療法士による、不器用な子どもを対象にした専門的なリハビリが受けられます。
詳細は小中学生対象の支援のページをご参照ください。
大口病院 「こどもデイケア」
公認心理師、作業療法士、栄養士などがチームで支援を行います。
特性に応じたグループ活動(調理・創作・運動等)、学習支援、進路指導などを行います。また、心理発達検査や心理面接も別途ご案内しています。
詳細は小中学生対象の支援のページをご参照ください。
不登校などについて
不登校などについては、以下のページを参照してください。
脚注
-
高等学校、中等教育学校後期課程及び高等専門学校、特別支援学校高等部の本科・別科、専修学校の高等課程・一般課程(いわゆる「専門学校」)、公共職業能力開発施設等へ進学・入学した者の合計 ↩
-
総務省統計局・独立行政法人統計センター e-Stat (外部リンク (www.e-stat.go.jp))より ↩
-
詳細については鹿児島城西高校ウェブサイト (外部リンク)を参照 ↩
-
社会福祉法人慈和会作成資料。 掲載されている情報は2021年時点のものです。 ↩